株をやっているとよく聞く「仕手株」や「仕手筋」という言葉。
よくYahoo!掲示板などで、みんなが仕手筋にはめ込まれた!と騒いでいる光景を目にします。
今回は実際に売買してきた経験から仕手筋の正体と手口を推測してみます。
仕手株は短期間で大きな値動きがある分、大きな儲けが期待できる一方で大きな損失を負うとこもあります。
負けを最小限にし、儲けのチャンスを掴むためには、仕手筋が何を考えてどう動くかを理解することが一番大事です!
仕手とはなに?
そもそも仕手って何か知っていますか?
仕手とは人為的に誰かが相場を作り、
短期間で大きな利益を得る事を目的とし、
巨額の資金を使って投機的売買を行う相場操縦のこと。
摘発が厳格でない事を逆手に、
脱法・違法まがいの手法を取り入れ価格操作をおこなう不正な売買筋のことを仕手筋(してすじ)と呼びます。
仕手筋の正体は誰なの?
仕手筋とは巨額の資金を投じて株価を吊り上げるグループのことをいいます。
仕手筋の目的は、
安いところで株を買い集めて
高いところで株を売り抜けることで、
莫大な利益を上げることです。
その正体は資産家または「資産家のグループ」であったり、
「法人」であったり、
「仕手戦を専門にしているグループ」であったりします。
具体的な個々の人物ということになると、
業界のごく一部の人物しか知りえません。
僕たちが耳にするのは、インターネットや新聞、
マネー誌などで取り上げられる
シンボル的な少数の仕手戦を専門とするグループや、
その代表者とされる人物くらいです。
仕手筋を大きく分けるとおおむね次のようになります。
資産家、または資産家グループ
- 企業のオーナー
- 医者のグループ
- 一般の資産家のグループ
- 政治家など
法人
- オーナー企業
- 宗教法人
- 医療法人など
仕手戦の専門グループ
マスコミで有力筋と呼ばれているグループ
その他
- ファンド
- 投資顧問
- 金持ち外国人など
仕手筋の手口は?
①仕手筋はまずターゲットとした企業の株を気づかれないように少しずつ買い集めていきます。
この段階では素人でもプロでもわかりません。
②ある程度株を買い集めると、巨額の資金を投じて買い上げて株価を高騰させてきます。
材料がないのに急に株価が上がったり、出来高が急に増える時がこの段階。
③株価が高騰すると、市場の注目を浴び、株価はますます勢いづいて上がっていきます。
イナゴ買い達が群がるタイミングですね。
④さらに仕手筋は投資顧問やインターネット(掲示板)などを利用して情報操作をし、まだまだ上がるという雰囲気を作り上げます。
ここでは掲示板などを使ってイナゴ達を集めれるだけ集めます。
⓹最後に個人投資家の大量の買いが入ってきたところで売りをぶつけて利益確定をしていきます。
買いが増えたところで、今まで買い集めた株を高値で処分します。
仕手筋は心理戦や情報戦を駆使して仕手戦を仕掛けてきます。
一枚も二枚も上手の仕手筋に、個人投資家が太刀打ちできるはずがありません。
仕手筋の手口の流れ
①銘柄を決定する
↓
②株を少しずつ買い集める
↓
③株が予定どおり集まる
↓
④買いあがり、株価を急騰させる
↓
⑤情報操作で市場関係者や個人投資家の買いを煽る
↓
⑥大量の個人買いがはいってきたら売り抜ける
仕手筋の株集め(玉集め)のやり方とは?
仕手筋は銘柄を決定すると時間を掛けて株を買い集めます。
時には半年くらいかけて集めたと推測できるような銘柄もあります。
それは、いかに安く買い集めるかで後々の戦いを楽にできるかどうかのポイントになるからです。
仕手筋が買い集めている段階では、情報は一切もれません。
情報が外に漏れると、仕手戦が失敗する可能性が高くなりますし、
漏れた時点で仕手戦をあきらめるケースもあるみたいです。
仕手筋はできるだけ安く買い集めるためにいくつかのテクニックを使います。
中でも代表的なテクニックは2つです。
時間をかけるパターン
①ボックス圏を形成させて集める
ボックス圏の下のほうでは買いを、上のほうでは売り板を這わせ、その間で買い集めます。
こうすると自然な株価の動きと見分けが付かない為、買い集めが他の投資家に知られにくいのが特徴です。
これが一番オーソドックスな買い集め方です。
②厚い売り板を出す
できるだけ安く買い集めたい場合に使われる方法です。
売る気が無いのに厚い売り板を出して個人投資家の売りを誘います。
厚い売り板を見せられると「早く売らないと売れなくなる」と思い、ついつい売らせれてしまいます。
一気に集めるパターン
通常は時間をかけて集めるパターンですが、
最近は株を一気に買い集めるパターンも多くなってきています。
特に買い集められている気配が無かった銘柄に、
ある日当然に大量の買いが入り、値上がり率上位にいきなり顔を出します。
このパターンは時間をかけて集めるパターンより仕手株と見分けやすいのが特徴です。
僕はこののパターンをいつも狙っていました。
素人はこのパターンが一番わかりやすいです(笑)
僕の探し方はインターネット掲示板(ヤフー掲示板)を
毎日チェックしてランキングで銘柄を探していました。
この場合の手口は下の感じです。
①銘柄を決定する
↓
②株を一気に買い集め、急騰させる
↓
③その勢いでさらに買い上がり、株価の急騰は続く
↓
④情報操作で市場関係者や個人投資家の買いを煽る
↓
⑤大量の個人買いが入ってきたら売り抜ける
毎日の値上がり率やヤフー掲示板のランキングをチェックしていると②の段階で仕手株を発見することが可能です。
買いあがる
仕手筋による株集めが終わると市場に出ている浮動株が少なくなっているために株価操作がしやすくなります。
ここでようやく仕手筋は買い上がりを始め、株価を暴騰させます。
手順はこんな感じです。
①保有株の売り指値を時価より高いところに並べて出す。
↓
②①で出した売り指値を自らの資金で買いに行く
↓
③②で買った新たな保有株の売り指値を再び時価より高いところに並べて出す
↓
④③でだした売り指値を、②で保有株を売った新たな資金で買いに行く
↓
⑤①~④を繰り返し、利食いをしながら買い上がっていく
※簡単に説明すると今の株価より高いところに自演の売りを出して自分でその売りを買う感じです。
振るい落とし
仕手戦の成否は仕手筋が浮動株をどれだけ多く支配できるかで決まります。
たとえ浮動株の大半を支配できたとしても、買い上がる段階で、予想以上に個人などの買いが入ってしまうこともあります。
そうすると、支配している株数が減り、株価が思いのままに操作できない可能性が高まります。
そこで仕手筋は意図的に売り板を出したり、保有株を大量に買い板にぶつけてきたり、
様々なことをして株価を一度下落させようとします。
勢いよく上がっていた株価が下がりだすと皆弱気になって売ってしまいます。
仕手筋はこの個人などが売った株を丹念に拾って支配株を再び増やします。
このような動きを「振るい落とし」といいます。
売り抜け
情報操作などで個人の買いが大量に入ってくるタイミングを見極めて売り抜けに入ります。
仕手筋の仕掛ける銘柄はこれまで出来高を伴って暴騰してきたことで、
信用取引の売り残と買い残の両方が増え、取り組みに厚みが出てきています。
買い残と売り残が拮抗していたり、売り残のほうが多かったりすると、
踏み上げ相場になると思惑も呼び、株価は仕手筋が売り出しても下がらないことがあります。
ある有力筋はこの取り組みづくりを重視しているようで、
意図的に信用買いや信用売りをいれ、取り組みを操作しているという話も聞いたことがあります。
仕手筋は売り抜ける段階においても最後まで情報戦と心理戦を駆使してきます。
よく掲示板で見るのが、現在の株価が500円の株価を1000円までは上がるなど買い煽って、
実際は800円まで上がったあとは大暴落するようなことを目にします。
これは個人投資家に買わせて仕手筋が売り抜けている可能性があります。
掲示板で具体的な金額が出始めたら仕手戦も終盤に入っていると思ってください。
見せ板
「見せ板」を使って個人投資家を買わせるやり方もあります。
何十万単位の厚い買い板を這わせて個人投資家にまだまだ上がると錯覚させます。
早く売り板を買いに行かないと厚い買い板に買われてしまう!という心理状態にさせて
個人投資家同士を買い上がらせて仕手筋が売り抜けるやり方です。
皆様も仕手筋には気をつけて株の取り引きをしてくださいね!